この本との出会い
6年ほど前、父が他界しました。
当時子供達は4歳と2歳。当然3番目はまだこの世におらず。じいじとは数回しか会ったことがなかったから、思い出はあまり作れなかったけど、じいじのことを覚えていて欲しくてアマゾンさんから購入したこの本。
いとうひろしさん作/絵の「だいじょうぶ だいじょうぶ」
この本を手に入れ早速子供達に読んで聞かせた夜、父を亡くしてまだ日が浅かったのもあったけど、読みながら号泣したのを覚えています。(子供達ビックリしただろうね😅)
あれから数年。
久しぶりにこの本をまた手に取り、読み返してみました。
あの頃の傷心的な感情は消えていたけど、今でも何度読み返しても、胸がジーンと熱くなるのは変わりません。
そしてこの本には「おじいちゃんと孫」のお話よりももっと深い、「生きていくこと」についてのメッセージが詰まった本なんだということに気がつきました。
どんな内容?
主人公の「ぼく」がおじいちゃんとの毎日のお散歩の中で発見する楽しいことや面白いこと。
でも知れば知るほど、困ったことや悲しいこと、怖いことも経験していく。

そんな時、おじいちゃんはいつも「だいじょうぶ だいじょうぶ」とおまじないのように呟いてくれるのです。

その言葉はいつも「ぼく」を励ましてくれる。
不安や恐れを取り除き、また新しいことへの意欲が湧いてくる。
「ぼく」の周りの世界は楽しいことや面白いことで溢れていて、怖いことや悲しいことばかりじゃないんだ。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
そうして大きくなった「ぼく」が、今度は年老いて弱くなったおじいちゃんを助けてあげるんだ・・・。そんなお話。
本の内容もそうですが、優しいタッチのイラストに文字は全てひらがなで書かれていて、字を読み始めたばかりのお子さんや日本語が第二言語になるようなウチの子供達でも読みやすい本です。
この本から学べること・・・
子供ながらに抱える些細な「悩み」や「恐れ」そして「悲しみ」。この本を読んだら「だいじょうぶなんだ!」って慰められ、力を与えてくれるんじゃないかなって思います。
「おじいちゃんとぼく」は、いわば人生の先輩と後輩。おじいちゃんの「だいじょうぶ」って言葉は何十年も生きてきた人生の先輩の「経験」からくる言葉。
恐れは知ることで消えていく、痛みも悲しみもいつかは癒えてなくなる、今できないこともいつかは出来るようになる。
親である私達も日常的に使っているこの一言、私達は子供達にどれだけの安心感を与えられているのでしょうか?
子供達には恐れや不安を乗り越えて、伸び伸びと成長してほしい。
そしてなにより、この主人公の「ぼく」のような心の優しい子に育ってほしいな〜という願いも込めて、親御さんも一緒にたくさんの子供たちに読んでほしい一冊です。
あじさい(@ajisai_kiwidojo)
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